ソウル汝矣島(ヨイド)の「ザ・現代ソウル」百貨店で最も混雑する場所は断然カフェだ。米サンフランシスコが元祖のブルーボトルをはじめ、テイラーコーヒー・キャメルコーヒー・ミケーレコーヒーなど、地域別に名声を得た場所だ。25日、平日午後にも関わらず、5階にあるブルーボトル・コーヒーは、順番待ちの番号が130番を超え、そのまま帰る人が多かった。順番待ちでデパートに3時間滞在中という女性は、「(コロナで)ただでさえやりたいことができないのにカフェにも行けないのと思って、負けん気のためかもしれないが、必ず飲んで帰る」と話した。 ◆有名カフェブームは「錯視現象」? 韓国人のコーヒー愛は昨日きょうのことではない。市場調査機関ユーロモニターによると、2019年の韓国のコーヒー専門店(カフェ)市場は、約5兆4000億ウォン(現レートで約5256億円)で、米国・中国に次いで世界第3位の規模で、国民1人当たりカフェで使うお金も年平均約10万4000ウォンで世界3位だ。長期化する新型コロナ事態がこのような気流に変化をもたらしただろうか。 「コロナでコーヒー店は直撃を受けた。一部の人気のカフェに人が集まるのだけ見てはダメだ。それは錯覚現象だ。家賃の負担で廃業するカフェがどのほど多いことか」 コーヒー業界の従事者の言葉だ。間違った話ではない。カフェは店舗内での試食禁止、1時間以内の利用を推奨、4人以上での利用禁止など社会的距離の確保制裁のターゲットになった。国内1位のコーヒー専門店、スターバックス・コリアでさえ、昨年営業利益が前年比6.1%減少し、11年間で初めてマイナスを記録したほどだ。 連日長蛇の列をなすカフェブームについて仁川(インチョン)大学消費者学科のイ・ヨンエ教授は、「オンラインでの情報へのアクセスが良くなり、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を見て、『私もあんな風にしたい』という同調現象と共に、コロナで疲れた自分への補償心理が高まっている」とし、「コーヒーは大きな費用負担なく幸福感を得ることができる『価心比(カシムビ、満足感に対するコスパ)』や『小確幸(ソファクヘン、ささやかながらも確実な幸せ)」の代表的な対象」と分析した。 コロナでカフェは店ごとの二極化が深刻化したが、消費者の立場ではコーヒー文化は一層積極的に変わった。代表的なのがホームカフェブームだ。 会社員のキム・ヨンジュさん〔39、ソウル・恵化洞(ヘファドン)〕は最近、イタリア・ブランド「デロンギ」のコーヒーメーカーを買った。コーヒー豆を入れると、自動的にエスプレッソ、アメリカン、カフェラテなどを作ってくれる全自動製品だ。キムさんは「日頃、カフェツアーが唯一の趣味だったが、コロナ以降は制約が多くなり、暮らしの質が落ちるようにさえ感じた」とし、「100万ウォンという大金を使ったが大満足」と語った。 個人用コーヒーメーカーも徐々に高級化している。コロナ前は豆を挽いてフィルターに入れ、お湯を注いで淹れる「コーヒーメーカー」や水とカプセルコーヒーを入れるとコーヒーが出てくる「カプセル式コーヒーメーカー」が一般的だった。価格は10万~30万ウォン台程度だ。 しかし、コロナ以降、豆を挽いてフィルターに入れてよく蒸らして抽出する「半自動コーヒーメーカー」や豆や水、牛乳を入れると種類別にコーヒーが出てくる「全自動コーヒーメーカー」を購入する消費者が多くなった。「ブレビル(オーストラリア)」、「ユラ(スイス)」、「ミレー(ドイツ)」など数百万ウォンを超える製品が並んでいる。フィリップスの場合、昨年6~12月のコーヒーメーカーの売上が前年同期比88.6%増加し、ことしは昨年より2倍以上増えると見ている。 ◆コロナが育てた「個人」コーヒー主導権 人々はデリバリーででもコーヒーを飲もうとした。全国2100店余りのコーヒーデリバリーサービスを運営するイディヤコーヒーを見ると、新型コロナ第3波がピークに達した昨年12月のデリバリーの売上は前月比57%増で過去最多を記録した。注文は一日のうち11~14時、17~20時に集中している。昼食・夕食時間前後に店舗を利用していた既存の顧客の特性がそのまま反映されたわけだ。 11月にソウル三成洞(サムソンドン)コエックスで「2021ソウル・カフェ・ショー」を準備中のXフォーラムのオ・ユンジョン理事は「これまで韓国はカフェで消費されるコーヒー文化が主だったが、新型コロナ以降、個人や家庭を中心にコーヒーを楽しもうとする需要が大幅に増えた」と述べた。
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