アイドルグループ「Ｋｉｓ－Ｍｙ－Ｆｔ２（キスマイフットツー）」の玉森裕太さんがテレビ番組でお気に入りとして紹介したのをきっかけに、掛川市の五明茶業組合が販売する「緑茶ティーバッグ」の人気が急騰し、関係者を驚かせている。ファンからの注文が相次ぎ、放送後約２週間で昨年１年間の販売数の約３倍を売り上げた。
１月１７日に放送された深夜番組で玉森さんがおすすめの静岡グルメとして紹介すると、翌朝には組合のメールに全国から約１６０件の問い合わせや注文が届いていた。「反響がすごい。工場がひっくり返るかと思った」と同組合の堀井聡理事（４４）。ファンの要望を受け、放送後最初の土曜日となる２０日には組合の直売店を臨時営業した。
藤枝市の会社員女性（４８）は友人の分も含めてティーバッグ１５個入りの商品を３袋購入した。「玉森君と同じものを飲めると思うとニヤニヤする。地元のお茶をおいしいと言ってくれるのもうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
販売ペースは次第に落ち着いてきているが、現在も通常を大きく上回る状態が続いている。反響を予想して用意したティーバッグの在庫はすべて売れ、組合総動員で袋詰めや発送作業に追われている。
番組内ではエコパアリーナ（袋井市愛野）公演時に提供される飲食（ケータリング）の「定番」として取り上げられ、玉森さんは五明茶を飲みやすくて香り高いと紹介した。堀井理事は、２０１６年から同アリーナで公演する歌手らに向けて茶を提供してきた取り組みが奏功したとみる。
ブームを一過性に終わらせず好調継続につなげるため、組合は通販サイト開設や交流サイト（ＳＮＳ）での定期的な発信などに力を入れる。堀井理事は「新たなお客さんの熱量を感じ、新茶シーズンに向けていいものをつくろうと改めて思えた。これからも誇りを持ってお茶づくりを続けていく」と決意を新たにしている。
（掛川支局・山本萌絵佳）
五明茶 掛川市五明（ごみょう）周辺で生産される茶。五明茶業組合は茶園からの観測で彗星（すいせい）や新星が見つかったことにちなんで命名した「願い星」「叶（かな）い星」などの商品を開発し、ＰＲに工夫を凝らしてきた。
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