2020年のハロウィンは満月です!ブルームーンはめったに見られないって本当!?
今年10月31日のハロウィンは満月になります。中秋の名月を見逃した方も、お月見のチャンスですよ♪ ところで、どうしてひと月に2回も満月があるのでしょうか? 別名『ブルームーン』とも呼ばれる「2度目の満月」がみられるのは、数年に一度だけ。ましてや、ハロウィンの夜に満月が重なるなんて、めったにないことなのです。それなのになぜハロウィンには満月のイメージが? 地球に住む私たち人類が、こんなにも月が気になってしまう理由とは!?
ブルームーンは青くない!? 月の色が変わるのはなぜ?
月はその時々で違う色に見えるから不思議ですよね。地平線近くにある赤っぽい月、高い位置にいる青っぽい月、またあるときは緑がかって見える月…これは、地球の大気や大気中のチリなどが、月からの光を屈折させたり散乱させて起こるものと考えられています。青い光は赤い光よりも散乱の影響を受けやすいため、私たちには「赤い月」のほうが多く見えているみたいですよ。
「blue moon(ブルームーン)」という言葉は「ありえない」「めったにない」という意味で"once in a blue moon"のように使われたりします。それでもごくまれに、ブルームーンが本当に青く見えることもあるのだそうです。「ブルームーンを見ると幸せが訪れる」「願いが叶う」なんて言い伝えも! もっとも、超レアな青い月を見ている時点で、相当幸せな状況に思われますが…。
月は地球から生まれた!? もし月がなかったら人類は…
月の誕生には諸説ありますが、まだ地球ができたばかりの頃、火星くらいの星が地球にぶつかってできたという説が有力です。衝突の衝撃で飛び散った地球の表面のかけらと、ぶつかった星のかけらが合体して月になったというのです。つまり月の材料は、なんと地球だった!? 人類が月に抱くただならぬ親近感は、そんなところからもきているのでしょうか。また当時は、月と地球との距離は今の10分の1くらいの近さだったといいます。だんだん距離が延びてゆき、今も少しずつ遠ざかっているそうです。
さて、太陽の重要さはなんとなくわかりますが、月ってどれくらい重要なのでしょうか?
じつは月が誕生するときに地軸が傾いたことで、地球には四季ができたといわれています。そして月の引力で潮の満ち引きが起こり、いのちが生まれました。もし月がなかったら、地球は今の3倍くらいの高速で自転し、大気圏の動きもずっと激しくて、繊細な生きものは暮らせなかったのでは…ともいわれています。人間が生まれたとしても、外見が今とはかなり異なっていた可能性大。もし月がなければ地球は別物になっていたというくらい、重要な存在だったのですね!
ところで、月は地球につねに同じ面を見せて回っているのをご存じでしょうか?
地球人は、いつも同じ模様を眺めることで月への想像力をたくましく育ててきたのですね。日本人には「餅つきウサギ」に見える黒い部分は、玄武岩でできています。岩なのになぜか「海」と呼ばれ、場所ごとに名前が付いています。白い部分は「高地」と呼ばれて、クレーターや山があります。
そしてやっぱり気になるのは、お月さまが決して見せてはくれないダークサイド(裏側)! 宇宙から撮った写真を見ると、そこに「海」はほとんどなくて、クレーターだらけ。…私たちが見慣れたお顔とはぜんぜん違う「裏の顔」が、そこにはあるようです。
2020年のハロウィンは満月! 狂気を誘うって本当!?
けれど同時に、月は「闇に光をもたらすもの」でもありました。恋人たちにとっては、ロマンスの証人、ふたりの時間を見守ってくれる優しい目として。真っ暗な世界にいる人には、暗闇の恐怖に抗う希望の光になったのです。コロナ禍のハロウィンにあらわれる満月は、お祭り騒ぎをしなくてもおうちでお月見して楽しめるようにとの、宇宙からのプレゼントかもしれません。
「お天道さま」はまぶしすぎて見ることができませんが、「お月さま」はゆっくりと眺めて思いをめぐらすことができます。月は人の感情を宇宙へと導いてくれる、ま〜るいとびらなのですね。
10月31日にあらわれるのは、ブルームーンでマイクロムーン(2020年最小の満月)という、記念すべき満月! 今年はぜひハロウィンをお月見で楽しまれてはいかがでしょうか。次回のブルームーンは、2023年8月31日です。
<参考サイト・文献>
国立天文台
アストロアーツ
月探査情報ステーション
『月 人との豊かなかかわりの歴史』べアント・ブルンナー(白水社)
『知識ゼロからの宇宙入門』渡部潤一 監修(幻冬舎)
『恒星と惑星 手のひらに広がる夜空の世界』アンドリュー・K・ジョンストン監修(化学同人)
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