日本を代表する茶所・京都府宇治市で、市内産の高級茶に欠かせないのが「手摘み」による丁寧な収穫だ。その作業の担い手確保に向け、市は茶摘みシーズン前の4月1日に「お茶摘みバンク」を開設する。人手が必要な茶農家と、茶摘みで働きたい希望者が登録し、市が双方をマッチングする仕組み。開設に合わせ、市は茶摘みを紹介する動画をネット上に公開。5月には茶摘み体験会も予定している。
今も続く「手摘み」は、茶園に覆いをかけてうまみや色を引き出す「覆下栽培」と並ぶ宇治の茶の特長だ。短期間で多くの人手が必要となるため、毎年4月上~中旬に各農家が季節アルバイトとして主婦や定年退職者らを主な対象に募集し、確保している。
市によると、市内では毎年、「お茶摘みさん」などと呼ばれる季節アルバイト600人以上が作業に従事。新芽を傷付けない丁寧な作業が必要となるため習熟度の高い人が重宝されているが、高齢化も進み、人手そのものが先細りする恐れがあるという。
そこで市では、農家と、茶摘みに関心のある新たな人材を結びつけるためバンクを新設することにした。茶摘み作業従事を希望する人(18歳以上)は、市農林茶業課で申請書を入手し、氏名・連絡先・経験の有無・従事希望エリアなどを記入して登録する。条件に合う農家に市が紹介し、勤務条件などは当事者間ですり合わせる。市外からの登録も可。
動画は、市内産宇治茶全体をPRする「心潤す宇治のお茶」と、手摘み作業について説明する「お茶摘み紹介」の2本。動画投稿サイト「ユーチューブ」の市公式チャンネルにアップされている。体験会は5月8日午前10時~正午、市内2カ所の茶園で実施予定。茶農家や現役の「お茶摘みさん」から指導を受け、参加者が自分で摘む。定員は各茶園先着10人で、4月16~26日に同課に申し込む。
松村淳子市長は「手摘みは宇治茶のおいしさを引き出す重要なステップ。宇治のお茶を守るため、多くの人に『お茶摘みさん』に加わってほしい」と話している。問い合わせは同課(0774・20・8723)。【鈴木健太郎】
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