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Wednesday, November 2, 2022

お茶のワンダーランド、静岡・駿河で体験したい、大人のお茶の楽しみ方5選 - TABIZINE

sagutgu.blogspot.com

茶畑&富士山
 


 

おしゃれ空間で、焙煎温度が異なるお茶を飲み比べる。/マルゼンティーロースタリー

静岡カフェ、サシカエ
多くの人は、そのおしゃれな外観に思わず足を止めてしまうんじゃないでしょうか。静岡駅から徒歩7、8分、繁華街に位置する「MARUZEN Tea Roastery(マルゼンティーロースタリー)」は、70余年を超える歴史を有する製茶メーカー「丸善製茶」がプロデュースする、お茶カフェです。店名にもあるように、ロースター(焙煎所)を併設しており、店内で焙煎した茶葉をハンドドリップで抽出したお茶や、お茶を使ったジェラートがいただけます。

MARUZENお茶2

で、コチラ、何がすごいって、茶葉はもちろん、焙煎温度や蒸し方(浅蒸しや深蒸し)の指定ができること(焙煎温度別ハンドドリップティー510円、玉露610円)。たとえば、蒸し方を選んだ上で、煎茶なら100℃か130℃、焙じ茶なら160℃か200℃から焙煎温度が選べます。つまり煎茶と焙じ茶だけで、8種類のバリエーションがあり、さらにアイスかホットかもセレクトできるのです。……ちなみに玉露は80℃、玄米茶は130℃の焙煎温度での提供となります。

MARUZENお茶3

うーん、どれもこれも気になる~。というわけで、今回は、好みの焙煎温度の茶葉が2つ選べる「急須で淹れる飲み比べセット」(1,230円。玉露は1,330円)をオーダーしました。今回は、100℃で焙煎した浅蒸しと深蒸しをお願いしたのですが、同じお茶、同じ焙煎温度なのに、蒸し方ひとつで、色からしてここまで違うとは(味も全然違いました)! お湯の入ったポットも付いているので、二煎目、三煎目の違いも楽しめます。

MARUZENジェラート

さらに見逃せないのは、こちらも焙煎温度別で楽しめるお茶ジェラート(シングル各460円。玉露は510円)の存在です。浅蒸し一番茶のみを使い、0℃~200℃まで6段階の焙煎温度で仕上げたジェラートは、「抹茶(0℃)」「荒茶(0℃)」「玉露(80℃)」「煎茶(100℃、130℃))」「玄米茶(130℃)」「焙じ茶(160℃、200℃)」と、コチラも、充実の品揃え。

さらに、「ホワイトクリーム」と「季節のジェラート」もラインナップしていました。ショーケースに並ぶジェラートの、焙煎温度の違いによるグラデーションの美しさもぜひチェックしてみてください。もちろん、味のグラデーションもお試しあれ、です♡

MARUZEN内観

MARUZEN Tea Roastery(マルゼン ティー ロースタリー)
住所:静岡市葵区呉服町2-2-5
TEL: 054-204-1737
営業時間:11:00~18:00(L.O.17:30)
定休日:火
http://www.maruzentearoastery.com/

茶畑一望のプライベートテラスで至福の一服を。/ティーテラス市之瀬

ティーテラス市之瀬1

絶景テラスは全国に数あれど、2022年4月にオープンした、山あいの茶畑に設けられた「ティーテラス市之瀬」のインパクトたるや! 絶大です。まあ、ちょっと見てみてください、この景観。標高約450mのテラスの眼下に広がるのは、一面の茶畑とのどかな集落。天気がよければ御前崎方面まで望むことができるのだとか。山に囲まれつつ開けた空間というのも、なんとも貴重です。

ティーテラス市之瀬3

なお、利用は完全予約制。そうです、要はこの景色が貸し切れてしまうのです。時空を超えたかのような幻想的なシチュエーションで、とびきりプライベートな時間を過ごしちゃいましょう! 午前と午後の2部制で、利用は90分以内(1人3,000円、小学生以下無料。市之瀬の煎茶、抹茶、茶菓子などのセット付)。茶畑を渡ってくる風を受けながら、ごろんと寝転ぶのも気持ちよさそうですよ。

ティーテラス市之瀬2

ちなみに、コチラ、プロポーズとかサプライズにもよいかも、と、プロポーズする予定もされる予定もないのに妄想しちゃいました。

予約は、するが企画観光局のHPページから。予約当日は、道中にある事務所でチェックインし、お茶とお菓子を受け取ってからテラスに向かう流れになります。

ティーテラス市之瀬4

サステナブルな「お茶染め」に挑む。/駿府の工房 匠宿

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静岡は古くから織物がさかんだった場所。早くから染色業が発達していて、徳川家康によって駿府城が築かれる以前、今川義元が統括していた時代から、藍染めの職人が集まる紺屋町(こうやまち)が形成されていたそうです。

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「駿河和染(するがわぞめ)」は、「型染」「藍染」「筒描き」などの技法を持つ、今川時代から続く静岡市の伝統工芸です。明治以降は、静岡に所縁のある染色家・芹沢銈介の影響を受け、型染めの技法が発展しました。

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「駿河和染」は藍を中心とした染色ですが、伝統技法をベースに、お茶を活用した染め物が、今回、フィーチャーする「お茶染め」です。

この「お茶染め」を、鷲巣染物店5代目の染色家、鷲巣恭一郎さんの指導のもとで体験できるのは、静岡市の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿(たくみしゅく)」。「お茶染め抜染ミニトートづくり(3,000円)」などにチャレンジできます。

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「お茶染め」と聞いて、素直だけが取り柄の私が真っ先に思ったのは、「え、布をお茶に浸けるの? それで色が定着する?」ってことでしたが、もちろんそうではありません(笑)。鷲巣さん曰く、お茶の製造工程で出る廃棄される茎や茶葉を粉砕し、これを煮出して染料にしているのだとか。

染料となる茶葉にさらに鉄分を加えるのは、色を定着させるためです。鉄分とお茶の化学反応により、やわらかなチャコールグレーに染まるそうです。お茶染めといっても緑茶のグリーンではないのです(笑)。少し赤みを帯びているような、それでいて白んでいるような風合いのグレー、とても深みがありました。添加する鉄分の分量、煮染める時間と回数によって、色は微妙に変化するそうですよ。

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なお、「駿府の工房 匠宿」の敷地内にあるギャラリーでは、ポーチやストールなど、鷲巣さんがお茶染めした作品も購入できます。私が心揺さぶられたのは、お茶染めのクラッチバッグ。素敵だったなあ。下駄の鼻緒部分にお茶で染めた布をあしらったものも気になりました。

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ちなみに、「駿府の工房 匠宿」では、染色のほか、陶芸、駿河竹千筋細工、駿河漆器、指物など、今川・徳川時代から静岡に受け継がれてきた、さまざまな伝統工芸が体験できます。そもそも静岡に、こんなにも伝統工芸があったとは……!

敷地内には、伝統工芸品を販売するショップや地元の食材をつかったフードやドリンクを提供するカフェもあり、丸1日過ごせそう! 静岡の魅力がてんこもりの「駿府の工房 匠宿」、お土産選びにも重宝すること間違いなしです。というか、散財にご注意あれ、です(笑)。

Washizu4

お茶染め Washizu
https://www.ochazome-shizuoka-japan.com/profile-1/

駿府の工房 匠宿
住所:静岡県静岡市駿河区丸子3240-1
TEL:054-256-1521
営業時間:10:00~19:00
定休日:月
https://takumishuku.jp/

静岡茶を使ったスイーツに魅せられる。/SANOWA登呂田店

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1950年創業の、焼津の老舗茶舗「丸玉園」が展開する「SANOWA(サノワ)」は、「丸玉園」が若い世代や子育て世代の女性を意識して、2018年に立ち上げた自社ブランドです。パッケージも洗練されていて、ギフトにしても喜ばれること間違いなしですよ。煎茶のほか和紅茶や、レモングラスほうじ茶やバジル緑茶といった、フレーバーティーも気になるところです。

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また、丸玉園登呂田店内には、イートンスペース(SANOWA登呂田店)も併設。夏場はお茶を使ったかき氷が人気を博していましたが、10月〜5月までは、静岡県産茶葉を使用した、パフェやティラミスが登場中です。通年販売されている、静岡抹茶生プリンも見逃せません。

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ちなみに今回、焼津駅前通りにある丸玉園本店に併設する自社工場で、お茶のブレンド「合組(ごうぐみ)」の様子を見学させてもらいました。聞きなれない言葉かもしれませんが、合組とは、年間を通じて味と品質が安定した美味しいお茶を提供するために、さまざまな品種の茶葉を組み合わせる作業のこと。私たちが普段飲んでいる日本茶の多くは、この合組によって作られているのだそうです。茶匠や茶師は、五感をフルにいかして、それぞれのお茶問屋が理想とするお茶を作っていきます。今回、お話を聞いた、三代目社長の増田啓介さんによれば、合組の作業に入る前から、作りたいお茶のイメージは明確にできているのだとか。深いなあ。

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私たちの手元にお茶が届くまでには実にさまざまな作業があるのだということを目の当たりにし、以来、ますますお茶を美味しく感じるようになりました。

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SANOWA登呂田店(丸玉園登呂田店内)
住所:静岡県焼津市東小川5-9-17
TEL: 054-621-5501
営業時間:9:30~18:00(L.O 17:00)
定休日:水
https://sanowa-tea.jp/

「和紅茶」のおいしさに目覚める/グリーンエイトカフェ

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ここ数年、注目を集めている「和紅茶」とは、文字どおり、日本で作っている紅茶のこと。じゃあ、緑茶と紅茶の違いってご存じですか? じつは緑茶も紅茶も、原料は同じツバキ科のチャノキ(学名はカメリア・シネンシス。初めて聞きました(笑))の葉。何が違うのかといえば、生の茶葉から水分を抜き、酸化発酵させる際の発酵の度合いでして、それによって、違う種類のお茶になるんですって(と、偉そうに言ってはみたものの、筆者も最近知ったばかりだったりします。えへ)。ちなみに、発酵させないのが緑茶、半発酵茶がウーロン茶、完全に発酵させたのが紅茶です。

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駿河でも、近年は、多くの茶農家が和紅茶づくりに着手しています。そんななか、ひときわ注目を集めているのが、製茶工場も併設する、お茶カフェ兼直売所「GREEN ∞ CAFE(グリーンエイトカフェ)」。静岡市街地からクルマで40分ほどの両河内(りょうごうち)という、お世辞にも至便とはいえない場所にあるにもかかわらず、筆者が滞在していた1時間ほどの間も、ひっきりなしにお客様が訪れていました。聞けば、和紅茶はもちろんのこと、その和紅茶を使った「和紅茶ソフト」(440円)、「和紅茶パフェ」(990円)を目当てに訪れる人も少なくないのだとか。土日限定、かつテラス&イートイン限定の「ロイヤルミルクティープリン」(385円)も美味でございました(笑)。

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代表の北條広樹さんは、「和紅茶は、海外産の紅茶に比べると味がやわらかく、甘味がありつつもさっぱりしているのが特徴。苦味が少ないので、小さなお子様でも美味しくいただけます。日本の食文化にも合っていると思います」と語ります。

なるほど、いただいてみると、緑茶を彷彿とさせるさっぱりしたのど越しで、それでいて、程よい渋みもあり、うん、これならずーっと飲み続けていられそうです(笑)。食中酒ならぬ、食中酒にもぴったりなんじゃないかなあ。

さて、冒頭で、「至便な場所ではない」と、ちょっとばかり失礼なことを申し上げましたが(笑)、コチラ、お茶づくりにはサイコーの立地なんです! 鮎釣りの名所として名高い清流・興津川を見下ろす茶畑は、朝夕に川から立ち込める霧が自然のかぶせになるだけでなく、昼夜の寒暖差もあり、雑味がなく、洗練された甘味と上品な香りのお茶ができるのだそうです。
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お茶カフェ兼直売所から徒歩数分の場所には、茶畑テラスも設けています(予約可)。田舎のおばあちゃんの家を訪ねたかのような、「日本昔ばなし」的な風景と、茶畑の上を横切る新東名高速の高架橋のコントラストは、ほかではなかなか見ることのできない唯一無二の景観。和紅茶をテイクアウトし、ゆるっとした、心がほどけるような時間を過ごしてはいかがでしょう? 茶畑ピクニック、キメちゃってください。

静岡グリーンエイト3

GREEN ∞ CAFE(グリーエイトカフェ)
住所:静岡県清水区和田島349-4
TEL:054-395-2203
営業時間:10:00~16:00
定休日:月(休日の場合は翌日)、その他不定休
※テラスは予約可
http://www.green8.bz/

[All photos by Studio GRAPHICA伊東武志]

取材協力:するがの旅の情報「VISIT SURUGA」 
 


 

kelly ライター

出版社勤務を経て、現在は都内でフリーライターとして活動中。辛いものとお酒全般が好き。趣味はミュージカル観劇。年に数回、「自費研修」と称し、ニューヨークや韓国に観劇にでかけるのが生きがい。


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