来月ノミネーションの発表を控える「第94回アカデミー賞」の国際長編映画賞にハンガリー代表として出品された映画『ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス』が2月4日よりヒューマントラストシネマ渋谷、2月27日よりシネ・リーブル梅田にて公開される。このたび、ピーター・ベルゲンディ監督のお茶目で怖い(?)コメント動画が到着した。
「第88回アカデミー賞」(2016年)で外国語映画賞を受賞した『サウルの息子』をはじめ、『ニーチェの馬』『心と体と』『この世界に残されて』などの良作を送り出してきたハンガリー映画。ジャンルとしてはホラー映画の本作がアカデミー賞国際長編映画部門代表作に選定されるのは異例のことだが、世界各地の映画祭でも24部門受賞・44部門ノミネート(22年1月時点)と実績は十分。
監督は、ハンガリー史上初の国際エミー賞にノミネートされたTVシリーズ『Trezor』の監督を務めたピーター・ベルゲンディ。子どもの頃からホラー映画が
好きだった彼が、ハンガリーの歴史と密接に関わるホラー映画を作りたいとの構想のもと、第一次世界大戦直後のスペイン風邪の大流行の際に犠牲となった「歴史的な痛みを伴う」幽霊をモチーフにストーリーを紡ぎあげた。
死者と遺族の最後の写真を撮る事を仕事にしている「遺体写真家」のトーマスが、長期にわたる戦争とスペイン風邪により大量の犠牲者が出たとある村に訪れるのだが、その村は死者が悪霊となって棲みつく呪われた村だった。
トーマスは村に住む少女アナと協力しながら霊を写真に写す事でその秘密を明らかにしていくが、悪霊は2人に容赦なく襲いかかる。果たしてトーマスとアナは、真実を明らかにし悪霊に打ち勝つことができるのか?
主人公の職業となっている「遺体写真(ポストモーテムフォトグラフィー)」は歴史上実際に行われていた経緯もあり、特にヴィクトリア朝時代には自然に庶民の間で行われていた。歴史的な背景と異色の設定を持つ新しいホラーに注目だ。
■ハンガリー大使館 推薦コメント
これまで、ハンガリー映画といわれて最初に思い浮かべる作品が「ホラー映画」というジャンルである事はありませんでしたが、とうとうこの分野でも印象的なハンガリーの作品が生まれました。
ハンガリー国立フィルム・インスティトゥートの支援も受けた『ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス』の舞台は第一次世界大戦後、スペイン風邪が流行しているハンガリーの農村です。特殊な時間と場所設定ですが、農村シーンの主な撮影場所は、観光名所として知られるセンテンドレ市の野外博物館です。ハンガリー各地の農家を展示しているこの空間は、ホラー映画に相応しいミステリアスな雰囲気を描くのに最適であったように感じます(普段は明るく広々としたスペースなので、ぜひ訪れていただきたい場所の一つです)。
映画には、ハンガリーで広く知られている人気俳優や、元バレエダンサーも出演し(アンナの叔母役)、さらには、幽霊の動きをそのバレエダンサーが指導し、エゴン・シーレの絵も参考にした等、多数の工夫が凝らされた独特なホラー映画です。
(ハンガリー大使館文化部 リスト・ハンガリー文化センター)
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からの記事と詳細 ( ホラー映画『ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス』監督のお茶目なコメント動画公開:中日新聞Web - 中日新聞 )
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