福島市立子山に「珈琲豆焙煎（ばいせん）処 黒ノ巣（くろのす）」が開店した。「日常生活で人と人の潤滑油になるコーヒー豆を届けたい」。都内で約２０年焙煎士として勤めた後、同市に移住した店主の舘内剣咫郎（けんたろう）さん（４６）の地域に根差した店づくりが始まった。
コーヒー豆の香ばしい匂いが８畳ほどの店内に漂う。「コーヒーミルも焙煎機も古いんですよ」。舘内さんは笑う。ただ、古い機械だからこそ理想的な深いりができるといい、くせになる味わいを追求できる。
舘内さんは東京都出身。都内の会社で専属の焙煎士として勤務し、業務外でも多くの店でコーヒーを飲み腕を磨いた。同市の親族の家を継ぐ関係で「脱サラ」し、移住した。
当初はコーヒー店を経営するつもりはなかったが、同市で知り合った友人に勧められて開店を決意。古い納屋を改修し、年季の入った家具を活用して落ち着いた空間に仕上げた。
信条は「自分がおいしいと思えればそれでいい」。客に対しても「好きな豆があれば、買ってもらえれば」というスタンスが受け入れられ、常連客も徐々に増えている。
店では５種類の豆をブレンドした「百年ブレンド」（税込み５５０円）など６種類の豆を販売。現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため行っていないが、有料でコーヒー豆の相談に乗り、試飲をしながら客の好みに合ったコーヒー豆を選ぶサービスもある。
安めの値段設定は「コーヒーは日常にあるもの」との思いから。新型コロナで外出自粛が続くが「ほっと一息つけるものを届けていきたい」と話す。
営業時間は午後１時～同６時。住所は福島市立子山字長曽根山２。土、日曜日と祝日は休み。
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May 04, 2020 at 07:25AM
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