コーヒーブランド「BOSS」で知られるサントリー食品インターナショナルが、家庭用ボトル入りコーヒー「ボス ラテベース」シリーズを刷新。商品名を改めるとともに「水でも牛乳でも割れる」設計に変更する。売れ行きが拡大する中で商品を見直した背景を聞いた。
2020年2月18日、サントリー食品インターナショナル(以下、サントリー)は希釈タイプのボトル入りコーヒー「ボス ラテベース」シリーズの刷新を発表した。20年3月10日に「ボス カフェベース」シリーズに名称変更し、さらにラテ専用の商品の一部を「水でも牛乳でも割れる」ラテとブラック兼用商品にする。
ラテベースは「牛乳で割るだけ」という手軽さが売り。時短ニーズが高い共働き世帯の心をつかみ、これまで男性ユーザーが大半を占めていたボスシリーズが女性層を開拓する大きなきっかけにもなった。売り上げは16年3月の発売から3年で約8割も伸長している。なぜ今、リニューアルに踏み切ったのか。
テレワークの普及で「ブラックコーヒーを家で飲む」需要増
その背景にはユーザーのコーヒーの飲み方の変化があった。ショート缶が「仕事中の一服」「外でのリフレッシュ」を想定しているのに対し、ラテベースは「自宅でリラックスしながら飲む」ことを想定。そのため、砂糖やミルクを入れたカフェラテの需要が高いと考えていた。だが、改めて家でのコーヒーの飲み方に関する調査を行ったところ、リフレッシュ目的でブラックコーヒーを飲む人が全体の5割近くもいることが分かった。
「働き方改革でテレワークを導入する企業も増えている。自宅で仕事をしている人にとって、『家の中でもブラックコーヒーを飲んでリフレッシュしたい』というニーズがあるのではないかと考えた」と同社ジャパン事業本部ブランド開発事業部の佐藤晃世副事業部長は振り返る。
「ラテ、ブラック兼用」で買いやすさと保管しやすさを訴求
発売から約4年。ラテベースの認知度も上がってきている。好調のラテベースを残し、新たにブラックコーヒー専用の希釈タイプのシリーズを発売するという手もあったはずだ。だが、「液体は重い。ラテ専用、ブラック専用と分けてしまうと購入者の負担が増える」と佐藤副事業部長は指摘する。同シリーズの主な流通先はスーパーマーケット。日常の買い物のついでに購入する人がほとんどだろう。家族の好みに合わせて複数本買うことになると、重くて持ち帰れない可能性も出てくる。さらに「フレーバーごとに複数本あると冷蔵庫の保管時にも邪魔になる」(佐藤副事業部長)。
そこで、兼用にしたうえで商品をコンパクト化。1本で約10杯分という値ごろ感はそのままに、希釈率を4倍から5倍に変更。従来は490ミリリットル入りだった商品を340ミリリットルに減らした。
この決断には、これまでの佐藤副事業部長の経歴も影響しているだろう。同氏は20年1月に現役職に就任したが、それ以前は15年にわたってサントリーの缶入りチューハイや低アルコール飲料などの酒類を担当していた。長年の経験から「チューハイはいろいろなフレーバーを試してみたいというユーザーが多いので、持ち帰るのが大変なのではないかと感じていた」(同氏)。缶入りのチューハイは希釈できないのでこれ以上軽くすることではできない。でもコーヒーならできる。そうした気づきが生かされた形だ。
課題もある。コーヒーの家庭内消費量は年々増加し、今や総消費量の6割を占める。だが、ほとんどがドリップコーヒーやインスタントコーヒーなどの手いれ。サントリーは割るだけで手軽に飲めるラテベースをRTDと位置付けているが、それらRTDの消費量は3割程度だ。ミルクや砂糖でごまかせないブラックコーヒーの味わいにこだわりを持つ人は少なくない。「水で割るコーヒー飲料」への抵抗感を払拭するコミュニケーションも重要になってくるだろう。
(写真提供/サントリー食品インターナショナル)
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February 27, 2020 at 03:04AM
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