藤井聡太棋王(竜王・名人・王位・叡王・王座・王将・棋聖=21)が同学年の挑戦者の伊藤匠七段(21)に2勝1分けとして、初防衛まであと1勝に迫った、将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第4局が17日午前9時、栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で始まった。先手後手は事前に決まっており、今局の先手は伊藤、後手は藤井。

伊藤は気息を整えてから飛車先の歩を突いた。対する藤井はいつものようにお茶を一服口に含む「初手お茶」の後、フゥーとひと息吐いてからやはり飛車先の歩を突いた。

第1局(2月4日、富山県魚津市)はお互いの玉が敵陣に入ってしまう持将棋で、引き分けという異例のスタートとなった。第2局(2月24日、金沢市)と第3局(3月3日、新潟市)は藤井が連勝している。

かど番の伊藤は16日に行われた前夜祭で、「スコアは厳しいが巻き返していければ」と誓った。これまで9敗1分けと分の悪い藤井を相手に、先手の今回はどんな作戦を用意するか。

対する藤井は約1年前にこの場所で棋王を初めて獲得し、史上最年少の6冠(竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖)となった。栃木県でのタイトル戦は3戦3勝。相性のいい場所で初防衛を決めたい。

持ち時間は各4時間。正午から1時間の昼食休憩があるほか、午前と午後におやつが出される。決着は17日夜の見込み。

【動画】棋王戦 藤井聡太棋王と伊藤匠七段の第4局、対局開始