1790年に創業以来、230年超にわたり日本のお茶文化を守りながら様々な挑戦を続けてきた福寿園。2004年にはペットボトルの本格緑茶「伊右衛門」をサントリーと共同開発し、ペットボトル緑茶飲料を定着させた先駆者でもある。9代目社長の福井正興氏に、同社の発展の歴史と今後の構想を聞いた。
時代とともに変わる
お茶の飲み方に柔軟に対応
1790(寛政2)年に初代の福井伊右衛門が茶商として創業した福寿園は、230年超の歴史を持つ宇治茶の老舗だ。輸出が盛んだった江戸末期から明治期にかけては貿易茶の産地問屋として、また明治期以降は国内に注力し、全国の茶店に卸売りをしていた。
「1952年に、私の祖父である6代目の福井正巳が京都駅に直営店を設け、小売りに進出しました。全国各地に直売店を設けたほか、百貨店へ出店し、宇治茶の宣伝・販売に努めました」と、現社長で9代目の福井正興氏は語る。
同社は2004年には本格緑茶としてペットボトル飲料「伊右衛門」をサントリーと共同開発して大ヒットさせ、ペットボトル緑茶飲料という市場を定着させた。近年では、お茶づくりが体験できる施設を運営したり、宇治茶とスイーツのペアリングが楽しめるカフェをオープンしたり、宇治茶を使った料理が味わえるフレンチレストランを運営するなど、お茶に関わる様々な事業を展開している。
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