7月に入ってからというもの、暑い日が続いているパリ。
40度というのは二日間だけだったが、その後も気温は30度前後、最近では湿度も高くなってきた。
慣れない気候で身体が追いつかない…というフランスの人々は多い。
扇風機をまわし、スプレーミストを携帯し、塩分やアルコールは控えめに、と、辛い夏を乗り切る工夫・情報を皆で共有するようになっている。
当然のことながら、消費生活にも変化が起きている。
人々はよりさっぱりした食べ物を求め、フランスの製氷工場などは連日フル稼働だという。
フランス人は以前、氷を使った冷たいものにあまり関心を示さなかったのだが、やはり昨今の猛暑で意識は変わりつつある。
たとえばパリのサロン・ド・テでは、夏用のメニューが軒並み登場している。
サロン・ド・テといえば、美味しいケーキとともに熱々のお茶を楽しむ、といった優雅なイメージのある場所だ。
しかし1854年創業の老舗紅茶店マリアージュ・フレールは、今年初めて「お茶のアイス」を期間限定で発売するようになった。
これは、紅茶ファンにとってはなかなかのサプライズであった。
アイスティーのラインナップは元々あったものの、やはり温かい紅茶のイメージが強いマリアージュ・フレール。
ところが店内では、アイスティーのコーナーが以前よりずっと大きくなっている。
これから見ても、冷たいものの需要がパリでかなり増えていることがうかがえた。
さて期間限定のお茶のアイスには、4つの味が登場した。
いずれも人気のあるお茶をベースに、ナッツやキャラメルソースがふんだんにあしらわれているリッチなフレーバーだ。
特に抹茶のアイスはパリでも定番となったようで、最近ではどの有名パティスリーにも抹茶味が置かれている。
※マルコポーロ・ブルーとバニラのアイスに、フラー・ド・セルのキャラメルソース
お茶の風味は思ったよりも控えめだが、バニラとキャラメルの甘さも丁度良い感じに中和されていて、全体的に上品な印象だった。
発売されているのは、パリに3か所あるマリアージュ・フレールのサロン・ド・テで、7月5日から9月30日までの期間限定。
3ヶ月弱の限定発売で、かつパリだけというのが惜しいところではあるが、今年の評判次第で毎年恒例のメニューとなるのかもしれない。
マリアージュ・フレールの他にも、冷たいデザートを主力メニューとしたパリのサロン・ド・テがある。
チョコレート通のあいだで有名なジャック・ジュナンは、2022年の夏にアイスとシャーベットを復活させた。
こちらは素材に大変こだわっているようで、保存料や安定剤を一切使わない100%ナチュラルなレシピだという。
野菜や果物、ハーブといった原材料は新鮮なものを最大限に使用し、砂糖は10%以下に収めている。
ただすべて手作業のため、これらはアトリエのあるマレ地区のサロン・ド・テ1か所のみでの販売とのことだ。
またパリを代表するパティスリー界の巨匠、フィリップ・コンティチーニも、毎週土曜日限定で自身のパティスリーを「シューアイスの店」と変化させた。(パリ3区の店舗のみ)
こちらは7月16日で終了してしまったのだが、彼のシューアイスは地元スイーツファンを大いに喜ばせたようだ。
このように、パリのサロン・ド・テは猛暑向けのメニューを次々と発表している。
パリのサロン・ド・テは、同じメニューでも同じ空間でも、いつ行っても飽きないという魅力がある。
しかし最近では嬉しいサプライズが続いており、いつもの老舗にフレッシュな風が吹くようになった。(内)
からの記事と詳細 ( パリ最新情報「パリの老舗紅茶店、お茶のアイスを新発売。サロン・ド・テのメニューにも変化が」 - Design Stories )
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