温かい飲み物に少しだけハチミツを入れるのは、気温が下がってきた時、有用で心地いい方法。でも、この予防的な行動は、冬の不調を和らげるのに最も効果的というわけではない。4人の専門家がこの一般的な間違いを指摘する。
新鮮なハチミツは成分が安定しているが、強い熱に触れると変質する。photo : Getty Images
喉が痛くなるたび、スプーン1杯の蜂蜜を手にする。抗炎症、抗菌、防腐、ヒーリング、活力……花の蜜から生まれ、セイヨウミツバチが形作るこの金の液体による効力は数えきれない。古代エジプトでは神々に捧げられるほど支持されるものだった。それでもその治療効果の恩恵を受けるためには、お茶やハーブティーに垂らすのは避けたほうがいい。以下で説明していこう。
熱で生命活動は損なわれる
実際には、ハチミツの抗菌・防腐作用はいくつかの要因の相乗効果によるものだ。まず、pHがとても低いために酸味があり、それがバクテリアの繁殖を妨げている。そして糖分の多さ(80%)や水分量の少なさ(15~18%)がバクテリアに不可欠な水の粒子を吸い込んで破壊してしまう。つまり、ハチミツ瓶のなかにはミツバチが媒介する、グルコースオキシダーゼのような防衛するための酵素がある。この酵素はほんの小さな傷を癒やす防腐剤として有名な、過水とも呼ばれる過酸化水素を生成する。
ただ、この小宇宙にヤカンを近づけると、その正常な機能は妨げられてしまう。「ハチミツは酸化や熱にとても弱いのです」と医師で栄養士であるアフィッド・アルオル(1)は指摘。温度が高くなればなるほど酵素は破壊される。「42℃を超えるとすべての生命活動は損なわれます。人間の身体と同じです」と、医師で養蜂家、仏語圏アピセラピー協会(AFA)の会長であるアルベール・ベッカー博士は断言する。
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温かい飲み物を先に、スプーンは後で
お茶にハチミツを入れても、人体に負担をかけることなくその恩恵を受けることはできる。「カップを指で持てる程度までお茶が冷めるのを待ち、それからハチミツを加え飲んでください」とアルベール・ベッカー博士は説明する。ただ薬学博士のオリヴィア・メトラル(2)が強調するように、このやり方ではハチミツの甘みや抗炎症作用は保たれるものの、天然の抗感染症作用は保持できなくなる。「ハチミツを水に溶かし薄めると、pHと糖の濃度が変質して、バクテリアに対する働きも変わってしまうのです」とアピセラピーの専門家であるオリヴィア・メトラル博士は詳しく語った。
その代わり、お湯とハチミツを別々に摂ると、特にインフルエンザのような症状に高い効果がある。「37~38℃の温かい飲み物は、口腔内での血管拡張を促します」と人間栄養学の科学博士であるニコラ・カーディナル(3)は教えてくれる。「これで交換面積が大きくなって、ハチミツを摂取した時にその有効成分を舌下で吸収しやすくなるのです」とのこと。さあ、ヴァーベナティーとスプーン1杯の蜂蜜を準備して、ベッドに行きましょう!
(1)アフィッド・アルオル博士著『Les Super-Héros de votre assiette, les aliments qui vous sauvent la vie !(お皿の上のスーパーヒーロー、命を助けてくれる食べ物たち!)』Larousse出版、304ページ、14,95
(2)オリヴィア・メトラル博士著『Le Miel dans votre pharmacie(薬学においての蜂蜜)』Baroch出版、168ページ、24ユーロ
(3)ニコラ・カーディナル著『Soignez-vous avec les produits de la ruche(ミツバチ製品で自分をケアする)』Thierry Souccar出版、 240ページ、13,90ユーロ
※ 2019年12月6日に掲載された記事を更新したものです。
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