高品質なスペシャルティコーヒーを扱う軽井沢発のコーヒー専門店・丸山珈琲(長野県軽井沢町)が今夏、戦略商品を相次いで投入する。ペットボトルアイスコーヒーや霧島酒造とコラボレーションした焼酎コーヒーゼリーなどで、販路も直営店やオンラインショップのほか、全国の一部スーパーに拡大。コロナ禍の外出自粛を受けてコーヒー需要が高まる中、こだわり派から一般層へと顧客の裾野を広げるのが狙いだ。
2021年で創業30周年を迎えた丸山珈琲は、軽井沢からはじまり、今では渋谷や新宿、西麻布など、9店舗を構えるコーヒー専門店だ。栽培、収穫、生産、流通といった一連の工程が明確に管理され、生産地の風味特性を備えたスペシャルティコーヒーに早くから着目。丸山健太郎社長自らが生産地に赴いて、コーヒー豆を直接買い付けてくるという姿勢でも、コーヒー愛好家の高い支持を受ける。
その丸山珈琲がペットボトル入りのRTD(レディ・トゥ・ドリンク)商品「丸山珈琲のブラックアイスコーヒー(無糖)」を開発、21年6月10日に発売した。直営店やオンラインストアのほか、全国の一部スーパーでも販売する。
高品質なコーヒーにこだわってきた同社がペットボトル入りコーヒーを出すことについて、同社の丸山社長は「コロナ禍でコーヒーが生活におけるアクセント、癒やしになっていることに改めて気づいた」と話す。
きっかけとなったのはコロナ禍における自身の経験だ。世間の動向と同じく丸山社長も家でコーヒーを飲む頻度が増えているが、「コーヒー屋でありながら自分で豆をひいていれるのが面倒に思うことがある」と明かす。頻度が増えているからこそ、手軽に飲めるようにしたい。例えば、オンラインミーティングの合間などにもデスクで飲めるようなものとして、このペットボトル入りコーヒーを開発したそうだ。
昨今、飲料メーカー各社はコーヒー関連のRTD商品のリニューアルやラインアップ強化、新商品投入を積極的に進めているが、丸山社長は「今後、コーヒーのRTD商品はより細分化するのではないか」と見る。
ホンジュラス産の豆で醸すスペシャルティ“らしさ”
ブラックアイスコーヒー(無糖)で注力したのは、「もちろん、おいしさ」(丸山社長)だ。丸山社長によれば、市場に出回る既存の商品は、飲みやすさ重視の薄いものか、インパクト重視の濃いものかのどちらかだという。
それに対し、今回発売する商品ではコーヒー豆のバイヤーとしても知られる丸山氏が厳選したホンジュラス産のスペシャルティコーヒー豆を100%使用し、従来のペットボトル商品では実現の難しかった「味のきれいさ」や「雑味のないコーヒー本来の味」を目指した。
風味の特徴は、ダークチョコレートやナッツのような香りと、「主張しすぎないほどよい酸味」「スペシャルティコーヒーならではのほのかな甘味を感じる後味」とのこと。サンプルを試飲してみたところ、一瞬、「薄い?」と感じるくらいの仕上がり。ただ、ペットボトル入りのRTDとして気軽に飲みやすく、それでいて風味はしっかりと立っていると感じられた。
ブラックアイスコーヒー(無糖)で注目すべきはその販路だ。丸山珈琲は今までも紙パック入りのリキッドコーヒーなどを販売してきたが、販路はいずれも直営店やオンラインショップが中心。他店は、長野県の大手スーパーマーケットチェーン「ツルヤ」にとどまっており、地勢的に非常に限られていたと言わざるを得ない。
一方、ブラックアイスコーヒー(無糖)は、各地のローカルなスーパーマーケットチェーンを中心に、全国に商圏を広げる予定だという。生産量は5000ケース、12万本と大手飲料メーカーの商品に比べるとかなり少ないが、今後を見据えて新規ルート、新規顧客層を開拓しようという動きが見て取れる。
からの記事と詳細 ( 丸山珈琲がペットボトルコーヒー 軽井沢ブランドを全国に拡大 - 日経クロストレンド )
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