
1969年に世界初の缶コーヒーが誕生した。 それが「UCCミルクコーヒー」だ。 発売当時、小学生だった筆者が生まれて初めて飲んだ缶コーヒーがまさしくこれ。 以降50年あまり、自分にとってはいつ飲んでも、 「こんなにおいしいミルクコーヒーはない!」 これに尽きる定番だ。 いくつもミルクコーヒーの新製品と出会ってきたが、半世紀経っても自分の中でUCCミルクコーヒーの地位は揺るがない。
その魅力を探るべく、UCC上島珈琲株式会社マーケティング本部飲料マーケティング部係長の勝間田拓也(かつまた・たくや)さんにリモートでお話を伺った。
いつでもどこでも手軽に飲める世界初の缶コーヒー
──まずはUCCミルクコーヒー誕生に至った経緯を教えてください。 勝間田さん(以下敬称略):それまでコーヒーは喫茶店で飲むのが一般的だったのですが、弊社の創業者、故・上島忠雄の「いつでもどこでも手軽に楽しめる飲み物にしたい」という強い想いがきっかけで誕生に至りました。 当時から、銭湯や駅の売店などでおなじみの瓶に入ったミルクコーヒーは売っていましたが、瓶は回収されるものなので返却しないといけません。そうすると持ち歩いて好きな時に飲めない。そこで缶コーヒーの開発へ動いたんです。 ──まさに発売当時、テレビのCMで流れていた「♪いつでもどこでもUCCコーヒー」がコンセプトだったんですね。 勝間田:製品の誕生当時、私は生まれていなかったので、CMは社内のライブラリで見たんですけど、本当にキャッチーなコピーであり歌詞だなと思いました。
──完成までには相当な紆余曲折があったでしょうね。 勝間田:これまで世の中にないものをゼロから開発するので、苦労は多かったようです。専門家の方々の協力を得ながら試行錯誤を繰り返して完成したと伺っております。 ──たとえばどんな苦労があったのでしょうか。 勝間田:コーヒーとミルクが分離してしまう。人の口に入るものなので高熱殺菌を行うと風味が変わってしまう、など幾つもあったようです。今でこそミルクとコーヒーが混ざり合った茶色の液色が当たり前になっていますが、開発時は缶に含まれる鉄イオンとコーヒーの成分のタンニンが結合してコーヒーが真っ黒になってしまう難問が生じて、製缶会社さんと一緒に試行錯誤を重ね、少しずつ解決をして製品化にこぎつけたそうです。 ──ミルクとコーヒー豆にはどんなこだわりがあるんですか? 勝間田:レギュラーコーヒーがメインの会社ですので、エキスなどは使用せず、淹れたてのコーヒーを使用しています。ミルクはコーヒーの風味を損なわず、それでいてミルクリッチな味わいもあるミルクを選んでおります。 ──ミルクは牛乳100%なんですか? 勝間田:現在発売している製品は、牛乳に脱脂粉乳や全粉乳も使用しています。時代の味覚トレンドに合わせ、牛乳以外も使用してミルクリッチな味わいを作っているんです。
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