お酒が恋の導火線になることは、みなさんご承知のことでしょう。飲めばいつもと違う自分になれる。もっと大胆にもなれる——。
だけど、いい大人になってまでお酒の勢いを借りた一夜の関係なんて、なんだかみっともないじゃありませんか。
そこで、「お酒」から「お茶」への提案です。
じっくり相手との関係を深めていくコミュニケーションツールとして、上手にお茶を利用するわけです。要は、急がば回れ。お酒よりもセックス・ドライブの高まるブースターとして、お酒を酌み交わすかわりに、お茶でときめく関係をゆっくり熟成させてみてはいかがでしょう?
お茶のエクスタシー
©iStock.com/xijian
では、なぜ「お茶」なのか?
日本人の私たちからすれば、あまりに身近であるため気づかないことかもしれませんが、お茶は人と人との絆をつなぐ潤滑油のような役割をしてくれます。そう、お茶を介して心が打ち解けあえば、もっと親密な関係に発展できるわけです(男女の関係にだって、これが使える!)
お酒ではどうでしょう?
飲み過ぎれば気分が悪くなるし、意識も朦朧としてきますよね。肝心な場面で「お酒のせいで……」は、もう終わりにしませんか? じつのところ、女性は感度が下がり、男性は勃起力が低下するようですし。
さて、2013年に「新潮社」から出版された『ラブティー 恋に効くお茶』の著者・平野久美子さんは、本のなかでお酒とお茶の違いを以下のように表現しながら、恋の火付け役となるお茶の魅力を伝えています。
「酔」よりも「醒」を特性とするお茶パワーのほうが、恋のきっかけを戦略的につくりやすいということでしょうか。お茶を飲みながら相手を口説けるようになれば、女でも男でも恋愛のエキスパートと言えるのではありませんか?
出典:『ラブティー 恋に効くお茶』(平野久美子 著、新潮社)
「酔」と「醒」——。
心理的にも肉体的にも平常とは異なる「酔」。いっぽう「醒」は、その酔いや迷いから覚め、頭がクリアになった状態と考えれば、シチュエーションに合わせて上手にお茶を選び、お茶のもつパワーを共有しながら親密さを深めていくほうが、大人な関係に相応しいのではないでしょうか。
お茶を“スロウ・ラブ”の小道具に
お茶の起源を遡れば、古代中国に発見され、長い間、不老延命の仙薬として珍重されてきた歴史があります。
ひと口にお茶といっても緑茶、烏龍茶、紅茶にはじまり、生薬や薬草を使った漢方茶、ハーブティー、花茶、さらに香辛料をブレンドしたスパイスティーまで加えれば、そのの世界は無限に広がります。
なかでも、烏龍茶のように香りを重視したお茶が好まれてきたのは、お茶の香気が心と体に深くリンクしているからに他なりません。
嗅覚を通って欲望に火がつき、香りがトリガーとなってエロティックな気分に陥る。肌を寄せ合う心地よさが脳内に快楽物質を生み、精神を安定させてくれる。一杯のお茶から始まるエクスタシーをふたりで享受する。そういった楽しみ方だって、アリでしょ?
ただし、薬ではありませんから即効性を期待したり、性衝動のないところに無理矢理それを期待してはいけません。
それでも、名誉も欲も手にした権力者たちが執念を燃やして求めた回春不老には、いつも守護神のようにお茶が寄り添っていたのも事実です。彼らのしとねに呼ばれる貴婦人たちもまた、花茶を飲んで自分のセクシャリティーと向き合っていたのではないでしょうか。
お茶を「大人のためのスロウ・ラブの媚薬」と位置付ける平野さん。
本能と欲望が絡みあうお茶を口にすることで、ときめく関係をゆっくりと熟成させれば、きっと二人の仲は今よりもっとかけがえのないものへと発展する。お茶がその一助となるなら、これ以上ロマンチックなことはないでしょう?
大人の恋の小道具として、日常にそっとティータイムを忍ばせてみませんか?もし、フェロモンの増幅を感じたならば、それは、お茶の香りのおかげに違いありません。
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からの記事と詳細 ( 大人のスロウ・ラブには、お茶がいい。 - TABI LABO )
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