伊藤忠商事は29日、来店型の保険代理店大手のほけんの窓口グループ(東京・千代田)の発行済み株式57.7%を取得し、同社を連結子会社化したと発表した。出資を始めた2014年3月からの累計出資額は165億円におよぶ。伊藤忠は消費者目線でニーズを把握して商品やサービスを創出する「マーケットイン」型ビジネスを強化していく。
ほけんの窓口は全国742店舗(6月末時点)を展開。107万人の契約者を抱える。保険商品の性質上、顧客家庭のニーズをきめ細かく把握している。
伊藤忠はこうした需要データを活用して既存事業との相乗効果を模索する。個々人のニーズに応じた生活コンサルティングや、伊藤忠傘下のファミリーマートなどとの連携を想定しているとみられる。
伊藤忠は17年に輸入車販売最大手のヤナセを子会社化し、18年にはユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)を傘下に収めた。消費者との距離が近い企業との連携を深め、従来の商社経営では把握しづらかった消費者ニーズをつかみ、新たなビジネスにつなげる戦略だ。
ほけんの窓口は、伊藤忠が持つデジタル技術を使って顧客が保険商品を検索しやすいシステムを作ったり、店舗出店で支援を受けたりするメリットがあるとみている。
2019-10-29 06:14:39Z
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51528910Z21C19A0000000/
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