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Saturday, July 3, 2021

こだわりの一品:お茶大国・スリランカ あの人気商品と結ばれた「意外なつながり」 - 毎日新聞 - 毎日新聞

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お気に入りの銘柄のセイロンティーを楽しむスリランカのグナセーカラ駐日大使=東京都内で2021年6月21日、川上珠実撮影
お気に入りの銘柄のセイロンティーを楽しむスリランカのグナセーカラ駐日大使=東京都内で2021年6月21日、川上珠実撮影

 スリランカといえばお茶。東京都内にある大使公邸を訪ねると、テーブルの上に紅茶やハーブティーなどさまざまな種類の缶や箱をずらっと並べて出迎えられた。「お茶は生活の一部。これがないと一日が始まりません」とサンジーブ・グナセーカラ駐日大使(56)。今年で発売35周年を迎える「ある商品」との意外なつながりも語ってくれた。【川上珠実】

 この日、振る舞ってくれたのは、中部キャンディ地区の標高約800メートルにある農園で栽培されたセイロンティー。公邸に常備している大使のお気に入りの銘柄だ。

 金のライオンが記されたスリランカの国章をあしらったカップに注ぐと、香り豊かな湯気が立ち上った。隠し味は刻んだショウガで、すっきりとした辛みが喉に心地よい。外は蒸し暑い夏日。クーラーのきいた部屋で熱い一杯を飲むと、ほっと肩の力が抜けた。

 「セイロン」はスリランカの旧称だ。かつてはコーヒー産業が盛んだったが、英国統治時代の19世後半にコーヒーの木が枯れる病気が流行して衰退。代わりに発展したのが紅茶産業だった。起伏に富んだ地形から標高によってさまざまな異なる味わいの紅茶が生まれ、「ウバ」「ディンブラ」といった世界的に有名な産地が七つある。

 「日本の酒のようなものです。それぞれの産地が『自分のところが一番』と誇りを持っています」とグナセーカラ氏は説明する。面積は北海道よりも小さな島国だが、国連食糧農業機関の2019年の統計によると、紅茶輸出量は世界4位だ。

 「多い日は紅茶を一日4、5回飲む」と言う。まずは朝に目覚めの一杯。家族と過ごす食後のひとときにも紅茶を囲み、夜も飲んで体を温める。もともと米国で長年にわたって不動産会社などを経営してきたグナセーカラ氏。今も昔も来客があれば紅茶でもてなすのが定番だ。

プロテインにも紅茶を入れる

 ほかにも生活のいたる場面でお茶が登場する。忘れられないのは、母親が作ってくれた紅茶の栄養ドリンクだ。最大都市コロンボで育った少年時代、食が細かった息子を心配して母が熱い牛乳に卵と砂糖、濃いめの紅茶を混ぜて作った。毎朝、朝食代わりに飲んでから小学校に向かった。気になる味は「紅茶シェークのようなものです。紅茶味なのでおいしく飲める」。今もスポーツジムで体を鍛える際にはプロテイン飲料に紅茶を入れるという。

 また、体調を崩したときは香辛料のコリアンダーの種をローストして煮だしたお茶や、モリンガなどの栄養価の高い植物のハーブティーを飲んで体を休める。

 一方、この日に用意されたお茶の中にはペットボトル飲料もあった。198…

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