静岡市の茶商、和田長治商店が昔ながらの製法でつくる「炭火茶」がお茶好きの間で注目を集めている。同じ品種の茶でも、原料となる茶葉を見て火の入れ方を職人が自由自在に変えられ、濃い緑色と針のような細長い形のお茶に仕上がる。
「作り手の理想に近い火の入れ方ができる」
和田長治商店の3代目、和田夏樹さんは炭火茶の特徴をこう語る。
和田長治商店は、茶の製造、卸を手掛ける茶商である。足久保・両河内・川根・牧之原・岡部など静岡県内の産地の茶を加工し、主に市内の小売店や問屋に卸してきた。毎年4月に開催される新茶初取引では、機械もみのお茶を40年連続で最高値で買ってきた。
同社では茶を100~200キログラム単位で注文を受けることが多い。通常のガスや熱風を使った火入れでは20分で30キログラムを仕上げられるが、炭火だと20~30分で15キログラムと半分の量しかできないので、時間がかかる。
釜の最下部で炭火をたき、和紙を貼った箱に1つずつ茶を敷き詰める。段によって温度が違うため、お茶のさらさらとした感触と香りの変化を確かめては、手早く箱を入れ替える。炭火茶をつくることができるのは、先代の職人と約15年間、共に作業してきた白鳥仁章さんだけだ。
同社が手掛ける茶の8割は、山あいの茶畑で育った茶葉に適した製法「浅蒸し」でつくられている。全体の6割を占める「本山茶」と呼ばれる静岡市山間部でとれたお茶を炭火茶にする。
山あいでとれる茶葉は、低い温度で飲むとおいしいとされる本格的なお茶。急須を使ってゆっくりと抽出し、クリアな色になる。和田さんは「飲む習慣が途絶えないよう、頼られる存在でありたい」と話す。
嗜好品としてライフスタイルに高級茶を取り入れる人も増えており、今年の新茶からそれぞれの「おいしいいれ方」をパッケージの後ろに記載することにした。
(亀田知明)
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April 16, 2020 at 05:13PM
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和田長治商店「炭火茶」 作り手の理想に近い品質に - 日本経済新聞
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