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Monday, February 24, 2020

埼玉県議会が女性による「お茶出し」をようやく廃止 「時代に合わない」と:社会(TOKYO Web) - 東京新聞

東京都議会では給茶機(左奥)が設置され、議員はセルフで飲む=2017年、都庁で

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 埼玉県議会が、委員会で県議にお茶を出していた慣例を廃止した。これまでお茶出しだけをする臨時職員も雇っていたが、経費削減や時代に合わないなどの理由からやめるという。地方議会の小さな一歩と言えそうだが、こうした「しきたり」は他の議会にもあるのだろうか。(中山岳)

◆県議と県幹部だけお茶出し 職員7人で年37万円

 同議会のお茶出しは、どんなものだったのか。議会事務局によると、昨年まで臨時職員は各委員会の前に、大型ポットにティーバッグでお茶を作り、湯飲みに入れて各委員の県議と一部の県幹部に配っていた。審議の休憩中にお茶を入れ替え、終了後の片付けを含めて一日の勤務時間は約三〜五時間だった。

 臨時職員は日雇いのアルバイトで、年四回の定例会ごとに募集。二〇一八年度は女性七人を雇い、県予算から計約三十七万円を支払った。一人あたりの給料は年平均で約五万円、時給に換算すると約九百四十五円。県の最低賃金九百二十六円をわずかに上回る水準だ。

◆「このご時世に合わない」「今まで続けてたのか」

 廃止は最大会派の自民党議員団が提案し、他の会派も賛同して決まった。自民党県連幹事長の小谷野五雄県議は「県議と県の一部の幹部だけお茶をもらうのは特典のように見られ、このご時世に合わないという意見もあった」と話す。

 議会事務局によると、臨時職員には長年勤めていた女性たちもいたが、廃止について「(互いに)会う機会が無くなるのは残念ね」との声はあったものの、特に不満は出なかった。県民からは「やめてよかった」という声が多く、むしろ「今までこんなことを続けていたのか」と批判も寄せられたという。

◆他の地方議会はセルフが主流

 関東の他の地方議会で、お茶出しの慣例はあるのか。「こちら特報部」が調べたところ、東京都議会は委員会がある室内に自動給茶機を置き、議員がセルフサービスで使っている。神奈川県議会は、お茶を入れたポットと紙コップ、ペットボトルの水を室内に置き、議員がセルフで使う。千葉、栃木の両県議会はペットボトルの飲み物を配っていた。議会によって形は違うが、セルフサービスが主流のようだ。

 そんな中、茨城県議会は定例会ごとに人材派遣会社から三人、お茶出しのための派遣社員を雇っている。「これまで反対の声などは議会に寄せられておらず、今後も継続する」(議会事務局総務課)という。

 ちなみにお茶どころでもある静岡県議会では、議会事務局の職員が委員会の議員席に湯飲みを置き、飲みたい議員は土瓶を回し合って入れている。議会事務局議事課の望月訓子主幹は「お茶好きな議員は多く、昔は職員が急須で入れて出していたようですが、負担軽減で今の形になったようです」と話す。

◆「今も続けているのは感度が悪い」

 中央大名誉教授(行政学)の佐々木信夫氏によると、かつて地方議会では役所の職員が議員にお茶を出すことは珍しくなかったとし「議員に対して、外から来たお客と同じように接する意識があったからだ」と話す。

 だが、こうした意識は近年、変わってきたという。「議員も職員と一緒ととらえるようになってきた。委員会で審議が長引いて水分補給が必要としても、そのお茶出しのために臨時職員を雇うことは、時代に合わなくなっている」と指摘。最近は役所や民間企業でもお茶出しは省力化しているとし「今でも古い慣習としてお茶出しを続けている地方議会は、感度が悪いと見なされるのではないか」と話した。

(2020年2月22日朝刊「特報面」に掲載)

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