いま話題の機種が目白押しのコーヒーメーカー。トレンドのアイテムだからこそ、たくさんのモデルが出ていて、選ぶのに迷ってしまいます。そもそも、自分の飲みたいコーヒーを飲むにはどのコーヒーメーカーを選べばいいのか……
後悔しない選び方を、家電コーディネイター・戸井田園子さんに聞いてきました。
【教えてくれるのはこの方!】
家電コーディネーター
戸井田園子さん
雑誌やテレビなどで幅広く活躍。消費者目線の鋭い製品批評で、読者の熱い支持を集めています。コーヒーメーカーについての執筆記事も多く、各社各機種の機能に精通しています。
コーヒーメーカーの選び方は、”掛け算”がカギ
コーヒーメーカーについて知っていくためには、「コーヒーメーカーの種類を知る必要がある」と戸井田さんは言います。その”種類”とは、いれられるコーヒーと、使える豆のタイプ(豆・粉など)によって分類され、コーヒーメーカー選びの基盤となるもの。
まず、いれられるコーヒーによる分類は下記のようなものがあります。
1.いれられるコーヒーによる分類
a.ドリップコーヒー専用
ドリップコーヒーのみがいれられるマシンです。濃度の調節などのカスタマイズができる機種もありますが、エスプレッソはいれられません。
b.エスプレッソ専用
エスプレッソ用に挽いたコーヒー粉に圧力を掛けて抽出します。エスプレッソのみの対応でドリップコーヒーはいれられませんが、蒸気でミルクを泡立てる機能がついていて、カプチーノ(エスプレッソ+泡立ちミルク)も楽しめます。
c.ドリップコーヒー・エスプレッソ両用
ドリップコーヒーとエスプレッソ共に対応するモデルです。エスプレッソ専用マシン同様、蒸気でミルクを泡立てる機能も装備。
続いては、使える豆のタイプによる分類です。
2.使える豆の状態による分類
a.豆(粉にも対応)
コーヒー豆を挽く機構が備わっているタイプ。豆を挽いてから、コーヒーをいれるところまですべて自動で行う”全自動”のものが人気です。また、このタイプは豆を挽いた粉からもコーヒーをいれられます。
b.粉
コーヒー豆を挽く機構を持たず、粉からいれるタイプ。低コストで、ロングセラーの商品があります。
c.カフェポッド
カフェポッドは、コーヒー約1杯分の豆の粉を、フィルターペーパーに詰めたもの。ポッドのサイズは44mmと60mmの世界共通規格となっており、マシンとポッドのメーカーが異なっても適合します。また、カフェポッドの進化系として、UCC独自開発の「ドリップポッド」も登場しています。なお、カフェポッドにはいれるのが簡単でお手入れも楽といったメリットがある一方で、微調整がしにくい、ランニングコストが高いなどの欠点もあります。
d.カプセル
メーカーごとに専用のカプセルでいれるタイプ。ドリップコーヒーはもちろん、カプチーノやキャラメルマキアートなど、様々なフレーバーを楽しむことができるので人気となっています。ただし、ランニングコストがやや高めになるのと、同一メーカーのカプセルしか使えないのがデメリットです。
「いれられるコーヒー」×「使える豆の状態」の掛け算
さて、これらの「いれられるコーヒーによる分類」×「使える豆の状態による分類」の2つを掛け合わせてコーヒーメーカーのタイプが決まります。
たとえば、ドリップコーヒー専用で豆からコーヒーをいれられるタイプ、エスプレッソ専用で粉からのみいれられるタイプ……といったようになります。以降は、各分類ごとに戸井田さんおすすめの機種をピックアップ。戸井田さんのコメントとともに紹介します。
ドリップ専用のコーヒーメーカーおすすめ5選
デカフェ専用モードを搭載した、全自動モデルのロングセラー
パナソニック
NC-A57
実売価格1万9800円
使うコーヒー豆のタイプ:豆・粉
カフェインレスのコーヒー豆・デカフェ豆からコクのあるコーヒーをいれられる「デカフェ豆」コースを搭載した全自動モデル。豆の挽き方を「粗挽き」「中細挽き」から、いれ方を「リッチ」「マイルド」からそれぞれ選べるので、計4通りの味を楽しめます。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「全自動マシンのロングセラーモデルです。抽出の際にミル部分が洗浄されるのがユニークで、手入れがラク! 『デカフェ豆』コースは味が良く、夜寝つきにくい人や妊婦さんに人気があります」(戸井田さん)
“2つの手軽さ”で大ヒット!
シロカ
全自動コーヒーメーカー カフェばこ SC-A351
実売価格1万6280円
使うコーヒー豆のタイプ:豆・粉
コンパクトでシンプルな外観が特徴の全自動モデル。1〜4杯の杯数に応じて、中細挽きのミルが豆を挽き、その挽きたての豆を、ステンレスメッシュフィルターが油分まで余さず抽出します。油分までしっかり抽出することで、よりコクのあるおいしいコーヒーに仕上がります。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「全自動ながら、価格もサイズも手軽で大ヒット! スクエア型でスッキリしたデザインも好評です。ステンレスメッシュフィルターで豆の油分ごと抽出するので、味わいは濃厚です」(戸井田さん)
十分な機能を揃えて、5000円以下の低価格
象印
珈琲通 EC-CB40
実売価格4495円
使うコーヒー豆のタイプ:豆・粉(ミルは手動式)
手動ミルが付属するドリップ式コーヒーメーカー。手ごろな価格ながら、浄水機能、取り外し可能な給水タンクなど使い勝手のいい機能を備えています。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「ドリップ式コーヒーメーカー”老舗”の象印。本品は、手ごろな価格と味の良さから人気を集めています。ミル付きですが、全自動ではないのでその点は留意しましょう」(戸井田さん)
カプセル式マシンの代名詞
ネスカフェ
ドルチェ グスト ピッコロXS
実売価格4231円
使うコーヒー豆のタイプ:カプセル
カラフルでポップな外見が印象的な、カプセル専用のコーヒーメーカー。本体サイズは「ドルチェ グスト」シリーズで最小のものとしつつ、タンク容量は従来モデルより200mlアップしています。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「カプセル式の存在を広く知らしめた、代名詞的マシンです。コーヒーだけでなく、お茶やチョコレート飲料など、多彩なフレーバーがあるため、大人はもちろん子どもも楽しめます」(戸井田さん)
他にはない、3通りのいれ方ができる
タイガー
カフェバリエ ACT-B040
実売価格9961円
使うコーヒー豆のタイプ:粉・UCCドリップポッド・カフェポッド
粉でいれるレギュラードリップのほか、UCCのドリップポッド、60mmのカフェポッドと、3通りの使い方ができるモデル。「マイルド」「ストロング」の2通りのいれ方を楽しめるレギュラードリップ、「スチーム蒸らし」の工程をプラスすることで極上の一杯を叶えるUCCドリップポッド、鮮度の高い1杯をいれられるカフェポッドを、好みで使い分けられます。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「レギュラードリップ、カフェポッド、UCCドリップポッドの3つに対応したモデルは珍しいですね。煮詰まりを防ぐステンレスサーバーや給水が楽な着脱式タンクを備え、お手入れがしやすいのもおすすめの理由です」(戸井田さん)
エスプレッソ専用のコーヒーメーカーおすすめ3選
自宅を”コーヒーショップ”に変える1台
デロンギ
エレッタ カプチーノ トップ ECAM45760B 全自動モデル
実売価格19万7980円
使うコーヒー豆のタイプ:豆・粉
豆を挽いて抽出するまで全自動のエスプレッソマシン。ミルクタンクが付属しており、カフェラテ、カプチーノ。キャラメルマキアートなどのミルクメニューも全自動で楽しめます。ドリップとエスプレッソの特徴を融合させた日本人好みの1杯をいれる「カフェジャポネ」も魅力です。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「まさに、 あなたの家を”スタバに変える”1台。エスプレッソマシンの最高峰です」(戸井田さん)
“技”を磨きたい玄人向けマシン
デロンギ
エスプレッソ・カプチーノメーカー EC680M
実売価格2万9200円
使うコーヒー豆のタイプ:粉・カフェポッド
横幅15cmとスリムなメタルボディが特徴の、手動タイプのエスプレッソマシン。プロ仕様の9気圧のポンプ式抽出が可能で、抽出量・温度設定(3段階)を好みで設定できます。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「エスプレッソは、ホルダーにコーヒー粉を詰めるタンピングや、その日の温度・湿度などにより、味が変わるといわれる繊細さを持っています。自分でエスプレッソコーヒーの抽出技術を高めることを楽しみたい人には、手動マシンである本品がおすすめです」(戸井田さん)
世界シェアNo.1の名に恥じない、カプセルのラインナップ
ネスプレッソ
エッセンサ プラス C45
実売価格2万1380円
使うコーヒー豆のタイプ:カプセル
世界シェアNo.1のネスレによるブランド「ネスプレッソ」によるエスプレッソメーカー。エスプレッソ(40ml)だけでなくルンゴ(110ml)、アメリカーノ(150ml)、アメリカーノXL(200ml)と4つのカップサイズに対応しています。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「ネスプレッソのマシンは、カプセルの種類が多いのが特徴です。単一種の豆だけのカプセルのほか、オリジナルブレンドやシーズナル、デカフェなど、コーヒー好きが満足できるラインナップは30種を超えています」(戸井田さん)
ドリップ・エスプレッソ両用のコーヒーメーカー
2種類のコーヒーを同時に抽出できる
デロンギ
コンビコーヒーメーカー BCO410J
実売価格2万2333円
使うコーヒー豆のタイプ:粉・カフェポッド
マルチにコーヒーが楽しめる1台。ドリップ用のフィルターには、コーヒー本来の風味をストレートに抽出できるスイス・エルフォ社製ゴールドフィルターを採用。2本の専用ホルダーを装備したエスプレッソ部は、カフェポッド、粉の両方に対応しています。
●戸井田さんが語るおすすめの理由
「ドリップとエスプレッソのマシンが合体した1台! スチームノズルが付いているのでカプチーノもいれられるうえ、ドリップコーヒーとエスプレッソの同時抽出にも対応しています」(戸井田さん)
"コーヒー" - Google ニュース
February 22, 2020 at 04:00PM
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