3日から取引を再開する株式や人民元相場を側面支援する狙いもある
【上海=張勇祥】中国人民銀行(中央銀行)は2日、3日に公開市場操作(オペ)で金融市場に1兆2千億元(約18兆7千億円)を供給すると発表した。1日のオペの金額としては異例の規模で、新型肺炎の拡大による金融市場や経済への悪影響を緩和する。3日から取引を再開する株式や人民元相場を側面支援する狙いもある。
人民銀は巨額のオペ実施で「銀行システムの流動性は前年同期に比べ9千億元多くなる」とした。人民銀や財政省は1日、新型肺炎の打撃を受けた湖北省の企業や小売り、飲食業などを金融面で支援する方針を発表している。裏付けとなる資金供給も合わせて実施し、流動性に余裕のない中小銀行や企業の動揺を抑える。
中国では2日に春節(旧正月)休暇を終え、3日から株式や元相場の取引が始まる。休暇中も取引があったシンガポール市場の中国株先物や香港市場は下落が目立っており、3日の中国株も急落は避けられないとの見方が強まっていた。「巨額オペで投資家心理が落ち着けば、投げ売りを抑制できる」(国都証券)との見方も出ていた。
人民元の対ドル相場も海外市場で一時1ドル=7元と1カ月ぶりの安値を付けていた。新型肺炎の死者が300人を超えるなど事態の収束がみえないなか、元の急落を放置すれば海外への資金流出を誘発しかねない状況になっている。
2020-02-02 11:47:39Z
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